《職場の教養に学ぶ》
お題:クルミに学ぶ
2026年10月3日(土曜)
【今日の心がけ】身近なものを深く知りましょう
砂川昇建の思うところ
自然から化学製品を作る事を、「バイオミメティクス/生物模倣)」または「バイオミミクリー」と言います。クルミの殻について研究を見ると、単に「硬い物質でできている」から強いわけではありません。殻の断面は均質ではなく、場所によって微細構造・組成・機械的性質が変化する階層構造になっており、研究では「サンドイッチ状」「傾斜機能材料」として捉えられています。それでは強い組織を作るにはどうすればいいのでしょうか?会社全体を「優秀で強い社員」だけにしようとする必要はない。営業には営業の強さ、技術者には技術者の強さ、管理部門には管理部門の強さがある。そして、その異なる性質をどう組み合わせるかによって、組織全体の強度が決まる。つまり、強い材料を集める → 強い会社、ではなく、異なる材料を適切に配置する → 強い会社 です。トップ営業だけを評価するのではなく、「案件を取る人」「人材を見つける人」「マッチングする人」「担当技術者を育てる人」が組み合わさって成果が出る。クルミ的に言えば、個体の強さより構造の強さを見るという発想です。自然界には、こういう発明が山ほどあります。 有名なのが、服などに使われる面ファスナーです。植物の「ひっつき虫」の鉤状構造から着想しました。ハスの葉 → 水を弾く表面構造 → 撥水・防汚材料。蝶の羽 → 色素ではなく微細構造によって色を作る「構造色」 → 塗料・繊維・ディスプレイ材料。サメ肌 → 微細な凹凸 → 流体抵抗や付着を抑える表面。ヤモリの足 → 微細な毛 → 接着剤を使わない接着技術。そしてクモの糸 → 軽く、強く、しなやかなタンパク質材料、という流れです。クルミは「中身」を強くしているのではなく、「中身を守る構造」を強くしている。会社でいえば、中身は社員、技術、顧客、ノウハウです。殻は制度、財務、教育、評価、人事、営業システムです。社員一人ひとりを無理に強くするより、弱い人間でも成果を出せる「殻=仕組み」を強くする。クルミから学べます。
著者 砂川昇建




