《職場の教養に学ぶ》
お題:アスリートの体つくり
2026年7月5日(日曜)
【今日の心がけ】互いに補いましょう
砂川昇建の思うところ
私は、スポーツにおける名コーチと、企業における優れた上司は、本質的には同じ役割だと考えます。その役割とは、「今の実力ではなく、未来の可能性に責任を持つ人」です。部下や選手は「今日の自分」を見ていますが、コーチは「5年後、10年後のその人」を見ています。この視点の違いが、時に厳しさとなって表れます。選手は結果を求め、コーチは成長を求める。選手は、今日勝ちたい、楽に勝ちたい、認められたい と思います。しかし名コーチは、3年後に世界一になるには何が必要か 今、何を捨てるべきか、どんな弱点を克服すべきかを考えています。だから、今日の快適さより、未来の成長を優先します。なぜ厳しいのか? 人は必ず、「自分に甘い」からです。心理学には「自己奉仕バイアス」という考えがあります。成功すると「自分のおかげ」失敗すると「環境が悪い」と考えがちです。だから、自分一人では限界があります。そこで必要なのが第三者の視点です。良いコーチは「嫌われる覚悟」を持っているのです。コーチは「好かれる立場ではない」これは本質を突いています。もちろん、人格的に嫌われる必要はありません。しかし、「今日、嫌われても、5年後に感謝される」ことを選べる人です。例えば、 練習を途中で止める選手に「今日は疲れているから帰ろう」というのは優しい人です。しかし「あと一本」と言える人がコーチです。その一本が才能を伸ばします。マイクタイソンを育てた、カスダマトは彼にボクシングだけを教えて訳ではありません。彼は、自制心、規律、恐怖との向き合い方、人生哲学、まで教えました。有名な言葉があります。「勇気とは恐怖がないことではない。恐怖を支配することだ。」タイソンは世界最強になりましたが、ダマト亡き後は、自分を止める存在がいなくなりました。もちろん、その後の人生にはさまざまな要因が重なっていますが、「自分に厳しい視点を与え続ける存在」を失ったことは大きな変化の一つだったと考えられます。ビジネスではどうか、これは企業でも同じです。部下は「評価されたい」と思っています。しかし優秀な上司は「育てたい」と思っています。だから、厳しいレビュー、やり直し 高い目標、を与えます。短期的には嫌われます。しかし、5年後には、 「あの時の上司のおかげでした」となることが多いのです。「優れたコーチとは、選手に勝利を与える人ではない。選手が自ら勝てる人間になるまで、厳しさと信頼の両方を持ち続ける人である。」
著者 砂川昇建




