《職場の教養に学ぶ》
お題:秋明菊
2025年9月28日(日曜)
【今日の心がけ】謙虚さや協調性を大切にしましょう
砂川昇建の思うところ
秋明菊(しゅうめいぎく)は、秋の風に揺れながらも楚々と咲き、控えめでありながら強さを秘める花。そこに「謙虚さ」を重ねるのはとても美しい感性だと思います。古代の謙虚を語る言葉・物語について触れてみましょう。老子の「上善は水の若(ごと)し」→老子は「最高の善は水のようなものである」と説きました。水は低きに流れ、争わず、万物を潤す。それは目立たずとも、最も尊い在り方。秋明菊が静かに野に咲く姿は、この「水の徳」に通じます。孔子の「知之を知るを知るとなし、知らざるを知らずと為す、これ知るなり」。→「知っていることを知っていると言い、知らないことを知らないと言えるのが、本当の知恵である」これは、知識を誇るよりも、無知を受け入れる謙虚さを大切にする教えです。秋明菊の素朴な姿が、人に「ただあることの美しさ」を思い出させるのと似ています。釈迦の「智慧第一」といわれた舎利弗の辞世→仏弟子の舎利弗は悟りを得てもなお誇らず、最後は静かに故郷の母のもとに戻り、命を閉じます。その姿は「成果を誇らず、ただ自然に還る」という謙虚の極みです。秋明菊の「咲いて散る」自然な姿とも重なります。これらはいずれも、秋明菊のように 控えめで、誇らず、しかし深い強さを宿す謙虚さ を語っています。
著者 砂川昇建




