《職場の教養に学ぶ》
お題:秋を楽しむ
2025年10月2日(木曜)
【今日の心がけ】秋の楽しさを見つけましょう
砂川昇建の思うところ
石垣島のように亜熱帯の地域では、気候のメリハリが「夏(暑さと成長の季節)」と「冬(少し涼しくなる休息の季節)」の二極に近いため、日本本土で感じられる「春」と「秋」の繊細な季節感は薄いです。秋の良さとは、命の充実と収穫の季節だからです。春から夏にかけて育ったものが、実りとなって表れる時期です。稲穂や果実、木の実などが熟し、「自然からの恵みを受け取る」喜びがある季節。心と体を整える季節でもあります。夏の暑さで消耗した体が涼しさの中で回復し、冬を迎える準備を始めます。気候が過ごしやすく、人がもっとも活動しやすい時期でもあります。美と無常を感じる季節とも言えます。紅葉や落葉は、植物にとってはエネルギーを守るための戦略ですが、人間にとっては「移ろいの美しさ」「儚さ」の象徴となり、感性を豊かにします。四季のある地域にとっての「春と秋」とは、緩衝の役割です。春と秋があることで、夏と冬の極端な気候の間に体と心を調整する時間が与えられます。また、文化や感性の源泉となり、和歌や俳句、祭りや行事など、日本文化の多くは春と秋の繊細な季節感から生まれています。
著者 砂川昇建




