《職場の教養に学ぶ》
お題:祭りのリハーサル
2025年9月23日(火曜)
【今日の心がけ】相手に喜ばれる働きをしましょう
砂川昇建の思うところ
秋祭りのエピソードです。なんともコメントに困ります。そこで、準備の大切さを、ジョブズの話から紹介します。ジョブズは「即興で天才的なプレゼンをするカリスマ」と思われがちですが、実際には入念な準備の人でした。Appleの新製品発表会(キーノート)では、舞台に立つ数週間前から何十時間もかけてリハーサルを繰り返していたのです。スライド一枚ごとの言葉の選び方。製品を持ち上げる角度、歩くタイミング 。聴衆が拍手や笑いをする間をどう取るか。こうした細部まで徹底して準備しました。例えば、2007年に初代iPhoneを発表したとき、実機はまだ動作が不安定で、操作の順番を少しでも間違えるとクラッシュする危険がありました。そこでジョブズは「デモの操作手順」を細かく設計し、舞台裏のチームも綿密に調整した結果、世界を驚かせる完璧な発表が実現しました。この発表は「スマートフォンの歴史を変えた瞬間」と言われていますが、その裏には膨大な準備の時間と工夫があったのです。孫子(兵法)では、「戦わずして勝つ」を理想とし、情報収集と布陣(準備)を何より重視した。羽生善治(棋士)は、対局の前に膨大な定跡研究を行い、「準備の質がそのまま勝敗に直結する」と語っている。要するに、表に出る「ひらめき」や「カリスマ性」は、多くの場合その裏にある徹底した準備の積み重ねで支えられています。準備を怠らないようにしましょう。
著者 砂川昇建




