《職場の教養に学ぶ》
お題:言葉がもたらす印象
2025年12月21日(日曜)
【今日の心がけ】与える印象を想像しましょう
砂川昇建の思うところ
新薬の臨床試験で、「本物の薬」と「効果がない薬(偽薬:プラセボ)」を同時に使って行う実験は、「プラセボ対照試験」と呼ばれます。さらに、被験者も研究者もどちらを飲んでいるか分からないようにする方法は、「二重盲検試験」と言います。なぜプラセボを使うのか?目的は何か?薬の「本当の効果」を確かめるため、人は薬を飲んだだけで「効いている気がする」「症状が良くなった気がする」という心理的効果(プラセボ効果)が起こることがあります。→ 本当に薬が効いているの?→ “効いた気がしただけ”なのか?これを区別するためです。公平で科学的な比較のため、実験では、新薬を飲むグループ、プラセボを飲むグループ、に分けて、結果の違いを比較します。こうすることで、薬を飲んだことで起きた変化が、薬そのものの作用なのか、が明確になります。「値段の高い薬のほうが効く気がする」現象は、プラセボ効果の一種です。高価なものは質が高いはず、高い薬ならよく効くはず、という思い込み(期待)を持ちやすいです。この“期待”が、脳内で痛みを和らげるエンドルフィンやドーパミンの分泌を増やし、実際の症状の改善につながることが分かっています。逆に、安い薬は効果がないと思い込むのかも知れません。いずれにしろ、薬に頼らずに日頃から運動するとか、暴飲暴食を避けるとか生活を整える事が大切ですね。
著者 砂川昇建




