《職場の教養に学ぶ》
お題:確認が生む安心感
2026年8月8日(土曜)
【今日の心がけ】丁寧な確認を徹底しましょう
砂川昇建の思うところ
野村監督は生前、仕事とは、計画、実行、修正、だと選手に教育していたそうです。野球選手からしたら何のことかわからなかったと思いますが、野村監督は、ID野球と言う考え方でチームを優勝に導きました。相手の選手を研究して、状況を過去のデータから分析して最適な戦法を考える野球です。野村監督のいう「計画・実行・修正」の間には、実は必ず「確認」があります。正確に表すと、仕事は次の循環です。計画する → 実行する → 結果を確認する → 原因を考える → 修正する。確認がなければ、修正は単なる思いつきになってしまいます。職場では、確認という言葉が「ミスをしていないかチェックすること」だけだと思われがちです。しかし、本来の確認にはもっと広い意味があります。計画どおり進んでいるか、前提条件は変わっていないか、相手の認識と一致しているか、実行した結果、何が起きたか、次に同じ方法を続けてよいか 、つまり確認とは、現在地を正しく知ることです。現在地が分からなければ、目的地へ向かっているつもりでも、逆方向へ進んでいるかもしれません。野球選手に「計画・実行・修正」と言っても、最初は抽象的に聞こえたでしょう。しかし、野球に置き換えると非常に具体的です。計画→相手投手は追い込むと外角の変化球が多い。したがって、外角を意識して打席に入る。実行→実際にその狙いで打席に立つ。確認→本当に外角の変化球が来たのか。自分は狙い球を正しく判断できたのか。結果だけでなく、打席の内容はどうだったのか。修正→相手が配球を変えてきたなら、次の打席ではこちらも狙いを変える。重要なのは、ヒットを打ったかアウトになったかだけではありません。狙いどおりの球を正しく捉えても、野手の正面に飛べばアウトになることがあります。反対に、狙いとは違う打ち方でも、偶然ヒットになることがあります。結果だけを見れば、ヒットだから正しい、アウトだから間違い、となります。しかし確認を丁寧に行えば、結果はアウトだが、判断と動作は正しかった。結果はヒットだが、再現性のない偶然だった、と区別できます。これが、感覚だけの野球とID野球の違いです。会社では失敗したときには原因を調べます。しかし、成功したときは「うまくいった」で終わりがちです。これは危険です。たとえば営業成績が上がったとしても、理由はさまざまです。営業担当者の提案力が上がった、市場全体が拡大した、競合が一時的に弱かった、広告が当たった、既存顧客から偶然大型案件が入った、理由を確認せず、「この営業方法が正しい」と判断して人員や予算を増やすと、環境が変わった途端に成果が出なくなります。失敗の確認は損失を減らし、成功の確認は再現性を高めます。これは、ビジネスシーンだけではなく、自分の人生においても判断するルーティーンとして取り入れると未来が変わります。
著者 砂川昇建




