《職場の教養に学ぶ》
お題:うどんを科学する
2025年7月26日(土曜)
【今日の心がけ】仕事に情熱を込めましょう
砂川昇建の思うところ
日本で「うどん」に使用する小麦粉は、ほとんどが輸入です。うどんには「中力粉(グルテン量中程度)」が最適ですが、日本で多く栽培されているのは「軟質小麦(薄力粉向け)」です。オーストラリア産の「ASW(Australian Standard White)」はうどんに適したグルテン量で人気です。日本の小麦栽培は面積・収量ともに限られており、コストも高いため、食品会社は輸入に頼らざるを得ないのが現状です。コシは「グルテンの網目構造」が発達して、伸びと弾力が共存する状態です。最初は粘り(まとまり)→次第に弾力と強さが出てきます。ただし、「こね過ぎると硬くなりすぎて切れやすくなる」という限界も。重要なのは「こねた後の寝かせ(熟成)」です。これによりグルテン構造が安定し、なめらかでコシのある麺になります。うどんには、カンスイは入っていません。カンスイとは、炭酸ナトリウム・炭酸カリウムなどのアルカリ性の塩。ラーメン、冷麺には使われますが、うどんでは使いません。アルカリ性になると、色が黄色くなり(ラーメン特有の色)、風味も変わる。うどんの特徴である「白さ」「もっちり感」が損なわれるからです。うどんの粉をミクロ微粒子にするとどうなるか?表面積が増える → 水と混ざりやすくなる。よく練れる・まとまりやすい・ダマになりにくい。「のどごし」が良くなる(=高級うどんの特徴)。微粉化するとグルテン形成が不均等になり、弾力が出にくくなるデメリットも。
著者 砂川昇建




