《職場の教養に学ぶ》
お題:「葉隠」の教え
2026年1月29日(木曜)
【今日の心がけ】心を込めて業務にあたりましょう
砂川昇建の思うところ
「葉隠」は、江戸時代中期に成立した武士の心得・思想書です。語り手は、山本常朝。書き留めた人は、田代陣基。佐賀藩(鍋島藩)の武士道を背景にしています。有名な一節があります。「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」これは、「常に死を覚悟していれば、迷わず正しい行動が取れる」という意味で、死に急げという話ではありません。葉隠の本質は、迷わないための覚悟、状況判断の速さ、名よりも役目を優先する姿勢。つまり「危険な現場では丁寧さより即断即決が重要」という感覚と、かなり近い思想です。斎藤庸助とは、明治期の官僚、沖縄県知事(在任:1898年〜1908年)琉球処分後、中央政府から派遣された地方統治の責任者、という立場にありました。斎藤庸助は、学校教育の整備 、日本語教育の推進、行政制度の本土化、経済・インフラ整備、農業・産業の近代化支援、行政・財政の立て直しなどの実績があるようです。当時の中央政府や本土世論には、「沖縄は遅れている」という偏見が強くありました。その中で斎藤は比較的、沖縄の実情を理解しようとした 過度な弾圧より「育成」を重視した、と評価されることが多い人物です。しかし、評価は一面的ではなく、彼はあくまで日本政府側の官僚、同化政策そのものを否定したわけではない、琉球文化・言語の抑圧につながった面もある、この事を知る事が重要です。つまり、「沖縄のために尽くした善人」と単純化するのも違えば、「抑圧者だった」と断じるのも正確ではありません。近代国家の論理の中で、比較的誠実に統治しようとした人物、というのが、現在の歴史学的にはバランスの取れた見方かも知れません。宮古島や八重山諸島では「人頭税」と言う過酷な負担の歴史がありますが、齊藤が統治している時期にも残っていました。
著者 砂川昇建




