《職場の教養に学ぶ》
お題:一呼吸置く
2025年7月6日(日曜)
【今日の心がけ】心を落ち着けて仕事に臨みましょう
砂川昇建の思うところ
川で目を失ったカバが自分の目を探す話です。平常心 に関連付けています。実は、カバはおとなしいようですが、500kgも体重があるのに走るのも早いそうです。ライオンより危険です。それでは、平常心の寓話をもう一つ。あるところに、よく喋るカメがいました。彼はいつも自分の意見を言い、他人の話を聞きませんでした。ある日、空を飛ぶ白鳥たちに「空を飛びたい」と頼みます。白鳥たちは「口を閉じていれば、飛ばせてあげる」と言い、棒の両端をくわえさせて飛び立ちます。空の上でカメは興奮して叫びます。「見て、ぼくが飛んでる!」と。しかし口を開いたとたん、棒から落ちてしまいました。この寓話は「口を慎むこと」「我(エゴ)を手放すこと」の大切さを説いています。沈黙し、心を静めることが、実は最も高く「飛ぶ」智慧への道だということです。禅では「無言の教え」「不立文字」が重視され、言葉を超えた体得が求められます。もう一つ、ある小さな波が大きな波に押し流されながら恐れていました。「私はもうすぐ消えてしまう。怖い、怖いよ」と。 すると隣の波が言いました。「君は波としての自分だけを見ている。でも実は私たちは海そのものなんだよ。」この話は「一切皆空」「縁起」など仏教の核心思想を象徴します。波(個)という形は無常ですが、海(全体)という本質は変わらない。自我(我執)を超えれば、死や変化への恐れも消えていくというメッセージです。
著者 砂川昇建




