《職場の教養に学ぶ》
お題:秋の声を聴く
2026年9月7日(月曜)
【今日の心がけ】虫の声に耳を澄ませてみましょう
砂川昇建の思うところ
「日本人は虫の声を言語脳(左脳)で聞き、欧米人は雑音として右脳で処理する」と言われますが本当でしょうか?この話の出所としてよく知られているのが、医学者・角田忠信が1970年代以降に提唱した研究です。角田説では、日本語母語話者は虫や動物などの自然音まで左半球優位で処理する傾向があり、西洋語話者とは異なる、とされました。非常に魅力的な説なので、「日本人だけが虫の声を言葉として聞く」という形で広く紹介されました。しかし、その後の脳科学でこの現象が日本人・欧米人の普遍的な違いとして確立されたわけではありません。そのため現在は、これを確定した科学的事実として扱うのは適切ではないでしょう。欧米人にも当然コオロギなどの鳴き声は聞こえますし、それを「cricket chirping」として認識できます。虫の音を心地よい自然音として感じる人もいます。脳は学習したカテゴリーに該当する音を、背景音から積極的に拾い上げる性質があります。日本人が「リーン」という音を聞いた瞬間、音 → 虫 → スズムシ → 秋 → 涼しさ・夜・季節感 という意味のネットワークが働く可能性があります。日本人は虫の声から季節を感じたり風情を感じるのはその為なんですね。
著者 砂川昇建




